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海洋生物学研究会は、海洋生物学の進歩、普及をはかることで、海洋学全体の発展と、海からの恵みに依存する人間社会に貢献することを目的とし、2016年に発足しました。海洋生物シンポジウムを企画・運営して発表と議論の場を設け、特に学生・若手研究者の研究活動を支援しています。また、国内の関連する生物系学会と連携し、より多くの科学者・学生が海洋科学に接する機会を設けて、海洋学会の発展を目指しています。より多くの方に参加していただけるよう、研究会会費は無料となっています。

会長挨拶:高木悠花(東京大学大気海洋研究所)

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​2024年10月より,海洋生物学研究会会長を拝命いたしました,高木悠花です.本会は2016年に発足し,毎年「海洋生物学シンポジウム」を開催しております.これまでの8回のシンポジウムでは,総計10件の基調講演,150件以上の口頭発表が行われるなど,小規模の会ではありますが,活発に活動してまいりました.また大学院生やポスドクなどの若手による成果発表件数も毎年多くあり,海洋生物学に携わる若手人材の育成にも尽力しております.
さて,2023年の文部科学省の戦略的開発目標では「海洋とCO2の関係性解明と機能利用」が掲げられ,関連した大型研究費のプロジェクトが立ち上がっています.国内だけではなく,世界的にも,2021年からは「国連海洋科学の10年(UN Ocean decade)」が発足し,SDGsの海洋に関連する諸課題の解決加速に向けた取り組みが広がっています.海洋学や海洋生物学が関わる研究領域がますます活性化している状況は喜ばしい限りですが,こうした分野の将来を担っていく人材が潤沢にいるわけではなく,むしろ不足しているのが現状です.上記のような取り組みも,期間限定ではなく,継続的かつより発展させていかなければならず,課題は山積しています.
海洋生物の研究は,対象生物に関する知識だけでなく,その生息環境すなわち物理場や化学環境の知識も不可欠であり,複雑に相互作用しあう多要素を総合的に理解する必要があります.地球温暖化に代表される,現在急速に進行する気候変動問題においても,生物や生態系への影響は,海洋物理や海洋化学の変動を同時に考えずして評価できるものではありません.従前から言われていることではありますが,分野の垣根を超えた学問連携の枠組みが重要となってきます.本会のシンポジウムでは,海洋生物学に関わる研究の裾野を広く捉え,これに深く関わる海洋化学,海洋物理学の研究発表も歓迎しております.海洋生物学研究に携わる研究者のみなさま,特に若手研究者が,ご自身の研究のさらなる発展や,新たな連携関係を築くきっかけを掴めるような会にしていきたいと思っております.
運営委員と協力しながら本会の発展に尽力してまいりますので,2年間どうぞよろしくお願いいたします.

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