海洋生物学研究会は、海洋生物学の進歩、普及をはかることで、海洋学全体の発展と、海からの恵みに依存する人間社会に貢献することを目的とし、2016年に発足しました。海洋生物シンポジウムを企画・運営して発表と議論の場を設け、特に学生・若手研究者の研究活動を支援しています。また、国内の関連する生物系学会と連携し、より多くの科学者・学生が海洋科学に接する機会を設けて、海洋学会の発展を目指しています。より多くの方に参加していただけるよう、研究会会費は無料となっています。

会長挨拶:田所和明(水研機構)

日本海洋学会海洋生物学研究会の杉崎宏哉初代会長を引き継いで、2020年度より会長を務めることとなりました、田所和明です。本研究会は発足からまだ5年の若い会でありますが、今まで4回のシンポジウムを開くなど活発に活動を行ってきました。一方で、2019年度はCOVID-19の影響でシンポジウムは講演要旨による発表となってしまいました。また2020年度のシンポジウムもオンライン形式とする予定など、難しい問題にも直面しておりますが、さらなる発展を目指して尽力していく所存です。

さて近年、海洋生物に関する研究の重要性や期待は年々増しているように感じます。その背景にあるのは、地球温暖化に代表される気候変動やマイクロプラスチック等の海洋汚染といった地球環境問題への意識の高まり、海外での水産資源の需要の高まりなどがあります。国連のSDGs(持続可能な開発目標)では14番目の目標として「海の豊かさを守ろう・持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」を掲げており、海洋生物に関する研究の重要性が高まっています。

一方で、近年、我が国における、海洋生物関係の研究予算や研究者の人員は減少の一途を示しています。これには国の財政の問題なども関係していると思われますが、加えて研究の重要性を分かりやすく、広く使えてこなかったことにも原因があると思われます。そこで本会ではシンポジウム等を通じて、最新の研究成果を研究者のみならず一般にも広く伝えていきたいと考えています。また研究の将来への発展を考えたとき、最も重要なのは若手研究者の育成です。大学院生などでは、なかなか研究発表の場が見つからないといった状況も見受けられます。従って本会では、若手研究者育成の観点から、シンポジウム等では、特に大学院生・ポスドク等の若手研究者に積極的な参加を促して行きます。これらのような活動を通じて、海洋生物研究の活性化を計っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。