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海洋生物学研究会は、海洋生物学の進歩、普及をはかることで、海洋学全体の発展と、海からの恵みに依存する人間社会に貢献することを目的とし、2016年に発足しました。海洋生物シンポジウムを企画・運営して発表と議論の場を設け、特に学生・若手研究者の研究活動を支援しています。また、国内の関連する生物系学会と連携し、より多くの科学者・学生が海洋科学に接する機会を設けて、海洋学会の発展を目指しています。より多くの方に参加していただけるよう、研究会会費は無料となっています。

会長挨拶:近藤能子(長崎大)

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 2022年10月より海洋生物研究会の会長を拝命しました、近藤能子です。本研究会は2016年に発足したまだ若い会ではありますが、コロナ禍の始まった2020年以外は毎年1回シンポジウムを開催するなど、活発に活動を行っています。

 近年は国連Sustainable Development Goals (SDGs)の一般社会への浸透もあり、その中で掲げられる目標である「SDGs 14海の豊かさを守ろう」の達成のため、海に関わる問題は世界全体で取り組むべき課題として認識されています。特に2021年からは、「国連海洋科学の10年」もスタートし、海洋科学の発展は急務となっていることが伺えます。

 その一方で、海洋生物分野関係の研究者人口は減少傾向にあり、特に若手研究者(Early Career)の減少は分野の発展にとって大きな障壁となっています。これには、国の財政の問題なども大いに関係していると考えられますが、加えて研究の重要性を広く、分かりやすく伝えることが十分でなかったことにも原因があると思われます。研究分野の将来的な発展を考えた時、最も重要になるのは若手研究ですが、海洋生物分野では研究発表の場がなかなか見つからないといった状況も見受けられます。こうした背景から、本研究会の主催するシンポジウムでは、大学院生・ポスドク等の若手研究者の参加を促していきたいと思っています。また、私自身は実のところ「海洋生物分野」というよりは「海洋化学分野」の研究を主に行っておりますが、海洋研究を進める際に常に感じるのは「生物」や「化学」といった研究分野の垣根を越えることの重要性でした。よって、「生物と化学」・「生物と物理」といった異分野融合型の研究についても積極的に促したいと思います。こうした活動を通して分野の活性化を計っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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